敬老の日 #004
いとこのおじいちゃんのお話です。
JR呉線のある田舎町に住むいとこのおじいちゃんは、98歳。
まん丸い顔で、いつもニコニコ笑顔です。
そもそも顔の作りが笑顔なんです。
本人は怒っているのに、誰も怒られているとは思っていない。
身長は140㎝ぐらいだけど、腰から90度折れているから杖も半分ぐらいの所を掴んで散歩する。
今の時期、田んぼの稲が伸びているので畦道を歩いていると
体は隠れて杖だけが移動しているようにみえます。
毎朝、道路(その地域では幹線道路)に面した縁側に座布団を敷いて、ちょこんと座っている。
田舎の朝は早い。
山の奥から一番列車(AM5:00)に乗るために駅へ向かって行くほとんどの人たちが、
通りがかりに大きな声で(おじいちゃんは耳が遠い)
「おじいちゃん、おはよう~」
と、言ってくれる。
通り過ぎた背中に向かって、絞り出すような小さな声で
「あぁ~」。
笑顔?で見送るのが日課です。
田舎ののどかな風景です。
「敬老の日」のニュースがテレビから流れてきた。
「うちの爺さんは何歳になるんかね?」
「明治00年生まれだから、明治が45年、大正が14年、昭和が63年、今、平成00年だから・・・・」
計算するのも大変です。
「今年、99歳じゃ!」
敬老の日を境に通りがかりの人が「100歳までがんばりんさいよ~~」と、声をかけてくれる。
最近、元気がなくなったと、聞いていたので近くに行ったときに寄ってみた。
「どぅしたん!最近、元気がないらしいじゃ」
「ヒデトシ、みんな、100歳までがんばれと言う」
「ありがたいね~、」
「101歳までがんばったら、いけんのかの~?」
そこなの! 悩んでいたのは?