進んだ #009
コロナ禍であっちこっちで消毒用ポンプを目にするようになった。
つい、1年前である。
消毒用ポンプをテーブルに置いて「消毒をしてください。」の立て札が置いてあった。
その後、足踏み式の非接触型になり、最近は体温計が付いて、顔まで映る。
パソコンの電源を入れると、画面の右端からスルスルとコマーシャルが出てきて、
画面の1/3を占領する。
消しても、消しても、出てくる。繰り返すこと30~40回。
消えたと思っても1時間後のまた出てくる。これの繰り返しである。
困ったときの、エディオンMちゃん頼みである。
「それは、ウイルス!パソコンサポートセンターへ行こう。」
はす向かいのビルの2階に行ってMちゃんに診てもらうと、
「軽いウイルスだね」
1分もいらない30秒で決着。
サポートセンターの方の技術を必要としない程度の問題であった。
過去、何回も困らせて「玉さん、いらんところは、さわらんの!」といつも、きつく叱られる。
今回は、ワードをしている時に、「ウイルス2個発見、無料で直します」の文字が出てきた。
無料ならいいかな?と思いクリック。
次々とクリックして進むとそこからは有料になったので止めた。
安易に進めると危ない!お金を払う事になるところだった。
しかし、最初のクリックの時点でウイルスに犯された。
帰る時に気が付いた
入口に画面のある消毒用ポンプがおいてある。
画面に近づくと「35.5℃」の表示。
手を差し出すとシューっと消毒液が出てくる。
これでもか!と、いうくらい出てくる。
その後、「マスクをして下さい」と、女性のアナウンスがあった。
あ!進んでる。
一年前に比べれば大きく進んでいる
しかし、僕はマスクをしている。
もう一度試してみたけど「マスクをしてください。」のアナウンス。
「Mちゃん、壊れてるよ!」
「玉さん、壊れていないよ」
もう一度試してみた。
画面に「35.5℃」の表示の他に僕の額が写っていた。
確かにマスクは見えない。カメラは上から目線で僕を見ていた。
進んだ!確かに進んだ!
消毒用ポンプではなく、僕の額。